2021年1月からセンター試験が廃止され、大学入学共通テスト(以下共通テスト)が実施される様になります。現在のところセンター試験と日程はさほど変わらない様ですが、内容が少し変わる様です。数学Ⅰ・Aの試験時間が70分に伸び、記述式の問題が数学Ⅰから出題され、その出来が段階別評価(3〜5段階で検討されている様子)されると言われています。記述式では思考力、表現力を問うものにすることを目標としている様です。
試行調査問題を見てみると、数学Ⅰ・A、Ⅱ・B共に、現行のセンター試験とは問題表式が大きく異なり、いわゆる
「よくある問題」
ではなく、問題の意味を捉え、解答を自分の知識を使って導き出す様な
「論理的思考力を問う問題」
であると管理人は感じています。“数学を学ぶ意味“の記事で強調したことが、テストで問われるのです。まさに数学を「使う」ことができるかが問われている様にも感じます。
では、高校の数学をどの様に勉強していけば良いのでしょうか。管理人が数学を塾の生徒さんに教える際に大事にしていることは
「なぜその公式や考え方を使うのかを考える」
ことです。管理人は、「この問題にはこの公式」とか、「これはこんな風に解いていく」、というのを“暗記している”ことは数学ができたうちに入らないと思います。なぜならそれはあなたの「武器」にはならないからです。管理人は公式を“使える”様にすることを心がけています。使うというのはどういう意味か、それは、
何をしたくてその公式を使うのかを考えて“使っている”
かということです。要するに理由付けです。例えばここの角度が欲しいから余弦定理を使う、2つの関数が共有点を持つためにはこの二次方程式が解を持てばいいからグラフや判別式を使う、など。知識を利用することができて初めて問題を解くことができます。「こうなればいいから」というところが抜けていると、いくら公式を持っていても使えません。数学を勉強する時にはこの部分を特に意識して欲しいのです。
最近の傾向として、正解に一気にたどり着くのが当たり前であるという間違った意識が芽生えている様に感じます。それはインターネットの普及などで情報を誰でも瞬時に検索でき、誰でも一瞬にして知識を得たと思い込んでしまうからなのでしょうか。断定はできませんが、管理人も高校生などに教えている時、すぐにわからないと言って諦めてしまう子が多い印象を受けます。すなわちこれは考えることを放棄しているということです。数学はこの考えるという行為で成り立つ学問です。放棄してては数学をできる様になりません。今後は一層その差が点数として出てしまうでしょう。
管理人はこのサイトを通して、その「こうなればいいから」というところを強調して記事を作っています。皆さんに問題と戦える「武器」を持ってもらうためです。テストは孤独です。一人で問題に立ち向かわなくてはなりません。そのためにその役に立つかわからない
「暗記」
を捨てて、
「武器」
を持ちましょう。
ではまた。
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