三角形の面積は 底辺 \(\times\) 高さ \(\times\) \(\frac{1}{2}\)
タイトルを見て当たり前じゃないかと思った人はその通りです。三角形の面積はもちろんタイトルに書かれた表式で書けます。ですが、これは少し不便なこともあります。
例えば高さがわかってない時。辺の長さはわかっているけど高さが・・・なんて時ありますよね。上の公式だと高さが必要なので辺の長さだけでは無理なわけです。
そして一番は三角形の内角がわかっていても面積にはあんまり関係ないことです。せっかく三角比なるものを考えているのに、角度の情報が一切ない今までの面積の公式だと不便というよりは勿体無いわけです。
ではこの面積の公式は「別の書き方」ができないのでしょうか?あくまで三角形の面積の公式は
$$(底辺)\times (高さ) \times \frac{1}{2}$$
でありますし、これに対して異論は無いはずです。なので私たちはこれからこの公式を「三角比が出てくる形」に変えてあげることを考えます。では早速やってみましょう。
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三角形の面積(三角比ver)の導出
三角形の面積を求めるためには、底辺と高さが必要なことはいうまでもありません。ですが基本的に三角形には片方がありません。どうしましょう。
なければ作ればよろしいのです。こんな風に。
この図では底辺を\(a\)とみています。すると高さはAHになりますが、これは何とかして別の辺で表せないかを考えるわけです。答えはもう書いてあります。
それは三角形AHCで三角比の定義を使えばいいのです。今角度として\(\angle ACH=\theta\)とわかっているとしましょう。すると、三角比の定義から
$$\sin\theta=\frac{AH}{b}$$
と書けます。ここから
$$AH=b\sin\theta$$
となるので高さがわかりました。これで三角形の面積がわかります。求めたい三角形ABCの面積は
$$\frac{1}{2}\times a \times b\sin\theta=\frac{1}{2}ab\sin\theta$$
となります。
この公式(今までの公式をただ書き換えただけですが)の表す意味は
三角形の辺2つと、その間の角だけで面積は計算できる
ということです。必要なのは底辺と高さではなく、上記の3つの情報です。三角比を学んだことで、面積の公式を書き換えることに成功しました。出てくるのは\(\sin\)ですから注意してください。
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例題
以前問題で出てきていた図形の面積を求めてみましょう。例えば次の図の三角形の面積を求めます。
必要なのは2辺とその間の角です。今回はそれがばっちり与えられていますので、さっそく使っていきます。先ほどの公式では\(a,b\)と記号を使いましたが、順番なんて関係ありません。あくまでも2辺と間の角の\(sin\)をかけて、2で割る(\(\frac{1}{2}\)をかける)のです。
$$\triangle ABC=\frac{1}{2}\times 7\times 6\times\sin 60^\circ$$
計算すると
$$\triangle ABC=\frac{1}{2}\times 7\times 6\times\frac{\sqrt{3}}{2}=\frac{21\sqrt{3}}{2}$$
と計算できます。簡単ですね。
終わりに
三角形の面積は今まで底辺と高さに左右されてきましたが、ここからは三角比を用いることによって角度も入れることができます。高さが見えないからと言ってあきらめずに、2辺とその間の角がわかっているところ、正弦定理・余弦定理などを用いてそのほしい辺、角を出すという方針も立てられます。まずは公式に触れて慣れることから。
ではまた。
コメント
[…] 三角形については既に公式を知っていて、ここで詳しく解説していますが […]