今回の問題はこちら。
制限時間は 5分です。自力で解きましょう。解いてから下の解説に移ってくださいね。
解きましたでしょうか。では解説に移ります。
今回はその1ということで計算の練習と確認から。
メインテーマは
計算
です。
指数と対数の計算は普段やっている計算とは感覚がまるで違います。
例えば指数同士の掛け算が肩に乗っている数字の足し算になったり、対数だと対数同士の足し算が真数の掛け算になったりと。
ですから指数、対数の問題に入る前に必ずやっておかなければいけないことはただ一つ、それは
計算練習
です。今までとは計算方法が違っているのですからそれに慣れなければ応用問題や簡単な練習問題でも本質に入る前に計算で躓いてしまいます。
この問題は文字が入っているのでしっかりと計算方法を知らないと解けないでしょう。ですのでこの問題がすんなり解けた人は次の問題に移っても大丈夫。
基本的な考え方は指数、対数どちらも同じで
指数 \(=\) 数字
対数 \(=\) 数字
を目指します。なぜなら私たちは指数や対数の入った方程式は
指数 \(=\) 指数
対数 \(=\) 対数
の形になって初めて指数や対数から離れられるからです。こうなれば指数や対数の中に入っている数字が同じであるということから私たち馴染みの方程式になるのです。
数字は指数や対数に直して書くこともできます。
特に対数は数字ならどんなものでも対数に直すことができます。
例えば 8 は底を 2 で対数にすると次のように変形すれば簡単に対数にできます。
$$8=8\times 1=8\times \log_{2}{2}=\log_{2}{2^8}=\log_{2}{256}$$
ここで使っているのは「底と真数が同じ対数 = 1」であることだけです。
今回は底が 2 になって欲しいので
$$1=\log_{2}{2}$$
を使いました。もちろん底が 3 にしたい場合は
$$8=8\times \log_{3}{3}=\log_{3}{3^8}=\log_{3}{6561}$$
とできますね。これで数字を自由自在に対数で表現できます。
もちろん対数の定義から作ってもいいですが大変なものもありますし、こちらの方が機械的にできるので簡単です。
さて、この問題では2つの指数と対数が入った方程式から条件式を出していきます。指数の方はとにかく
指数を一つにまとめる
ことと
指数 \(=\) 数字
にすることを考えます。
左辺は指数法則から計算していきますが、忘れていけないことは必ず底を揃えることです。
指数法則も対数法則もそうですがあくまで法則が使えるのは底が同じ場合だけ。
なので今回は \(\sqrt{\frac{1}{2}}\) を無理やり”底が 2 の指数”で書き直します。いけますね。
$$\left(\sqrt{\frac{1}{2}}\right)^{y}=\left(\frac{1}{2}\right)^{\frac{1}{2}y}=(2^{-1})^{\frac{1}{2}y}=2^{-\frac{1}{2}y}$$
いくつかやり方はあると思いますがその一つを示しました。
ここでも指数の法則が出てきますので忘れている人は確認してください。
というわけで計算を続けると
$$2^{x}\cdot 2^{-\frac{1}{2}y}=2^2$$
$$2^{x-\frac{1}{2}y}=2^2$$
となりますので一番最初に示した形になりました。あとは指数の肩の部分を比べればいいので
$$x-\frac{1}{2}y=2$$
とできますね。次は対数です。
対数は真数条件が必要でそれは
\(真数 >0\)
でした。これはどんな問題でも対数が出てきたら一番最初に考えましょう。
今回は \(x>0\ ,\ y>0\) です。
また対数は一つ大事な公式があります。それは
底の変換公式
です。これは対数の底を自由自在に変えられる便利な公式です。こんな公式でした。
底が \(a\) 、真数が \(b\) の対数 \(\log_{a}{b}\) は
$$\log_{a}{b}=\frac{\log_{c}{b}}{\log_{c}{a}}$$
とすることで、底が \(c\) の対数に変換できる。
先ほども話した通り対数は底が揃っていなければ計算が進められません。
基本的に底は2、3、5などが望ましいので(計算が楽だから)より小さい底にすることを考えます
今回は底を2に揃えた方が良いので底が8の対数を底を2にします。
$$\log_{8}{y}=\frac{\log_{2}{y}}{\log_{2}{8}}=\frac{\log_{2}{y}}{\log_{2}{2^{3}}}=\frac{1}{3}\log_{2}{y}$$
これで準備は完了です。
ですが、対数では気をつけなければいけないことがもう一つあります。
今回の問題では出ていませんが、対数をまとめる時には必ず対数の前に数字がないようにしましょう。
例えばこんな計算問題です。
$$2\log_{2}{(x-3)}=\log_{2}{(x-1)}$$
これは必ず次のように変形して計算をしていきます。
真数条件から \(x>3\) で
$$\log_{2}{(x-3)^2}=\log_{2}{(x-1)}$$
前の数字を真数に持って行きました。そして比べます。
$$(x-3)^2=x-1$$
$$x^2-7x+10=0$$
$$(x-2)(x-5)=0$$
真数条件より
$$x=5$$
繰り返しになりますが、最終的に対数と対数を比べるのですがその時は、対数の前の数字はあってはいけないので、対数の性質を使って真数に持っていきます。
そうすることで初めて真数を比べることができます。大丈夫ですね。
少し話が逸れましたが元に戻して問題の続きをやっていきます。
元の式は底の変換によって
$$\log_{2}{x}+3\cdot\frac{1}{3}\log_{2}{y}=4$$
になりましたのであとは対数はひとまとめにして数字は対数に変形です。
よって
$$\log_{2}{x}+\log_{2}{y}=\log_{2}{2^4}$$
$$\log_{2}{xy}=\log_{2}{16}$$
より
$$xy=16$$
が得られますね。
ここまできたら連立方程式ですから計算は省略します。 \(x\ ,\ y \) は真数条件より 0 ではないのでそこに注意して計算すると
$$x=4\ ,\ y=4$$
が出てきます真数条件は忘れないでくださいね。
問題はここまでです。お疲れ様でした。
いったん広告の時間です。
まとめ
繰り返しになりますが指数、対数はまず計算になれること。そして条件やどうすれば計算が進められるかをしっかりと頭に入れておくのが重要です。
ではまた。
解答を以下に載せておきますので丸付け等に使ってください。
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