今回の問題はこちら。
制限時間11分です。自力で解きましょう。解いてから下の解説に移ってくださいね。
解きましたでしょうか。では解説に移ります。
ベクトルの問題は全て似通っていますので常に管理人が逐一言っている基本概念をおさえながら学習を続ければ必ず解けるようになります。
ですが今回の問題はもう一つ基本概念として知っておいて欲しいことが出てくるのでそこを中心に解説します。
では解答に移ります。
まずは図を書くことからスタートです。外分が出てくるので点の位置に注意しましょう。
外分、内分共にですがそのスタート地点に気をつければ大丈夫。
例えば線分OAを \(1:2\) に内分するのと \(2:1\) に内分するのとでは話が全く違います。スタートはOですよね。
同じように外分も必ずスタートに気をつけます。今回の場合は9:5に外分です。図をかけましたでしょうか。
こんな図がかけていればOKです。
ベクトルを出すところは大丈夫ですね。定数倍、内分の公式を意識します。\(\vec{AF}\) は
$$\vec{AF}=\frac{9}{4}\vec{AF}$$
ですね。外分によって長さが伸びているので注意です。
\(\vec{AD}\) は三角形に注目して求めます。内分の形が見えますでしょうか。公式に当てはめれば、
$$\vec{AD}=\frac{2}{5}\vec{AB}+\frac{3}{5}\vec{AC}$$
と出てきます。ここまではスラスラと解いていきたいところです。もし難しく感じたらこちらの記事がオススメです。是非読んでみてください。
さて、ここからが少し難しくなっていくところでしょうか。センター形式なので条件は書いてくれているのですがその条件が少し嫌な形をしています。
最初の条件はすんなり受け入れられるはずです。これは代入すればすぐに基本のベクトルを使って \(\vec{AF}\) を記述できますね。
$$\vec{AF}=t\vec{AD}=\frac{2}{5}t\vec{AB}+\frac{3}{5}t\vec{AC}$$
ですが次はどうでしょうか。再度”定数倍の条件”であり、しかも \(\vec{BF}\) と \(\vec{BE}\) という変な場所のベクトルを用いています。これを条件として私たちが使えるのか少し不安です。
ですがここでひとつ必ず抑えてほしいことがあります。それは
ことです。ベクトルの始点は私たちが勝手に変更できます。なぜならベクトルには次の引き算の関係がありますからね。
$$\vec{AB}=\vec{OB}-\vec{OA}$$
これを使えば、あるベクトルの始点を変えた場合そのベクトルがどのように書かれるのかを機械的に求めることができます。
ではその始点はどうすれば良いかというと
基本のベクトルの始点に合わせる
ことをすればいいですね。私たちが使いたいのは基本のベクトルですから。
では今回の問題で実際にやってみましょう。
条件式を無理やり始点をAに揃えます。
$$\vec{BF}=k\vec{BE}$$
$$\vec{AF}-\vec{AB}=k(\vec{AE}-\vec{AB}$$
今欲しいのは \(\vec{AF}\) ですから
$$\vec{AF}=\vec{AB}+k\vec{AE}-k\vec{AB}=k\vec{AE}+(1-k}\vec{AB}$$
となりました。ここまでくればいつもの形ですね。\(\vec{AE}\) はもうわかっていますので代入すれば
$$\vec{AF}=k\cdot\frac{9}{4}\vec{AC}+(1-k)\vec{AB}=\frac{9}{4}k\vec{AC}+(1-k)\vec{AB}=(1-k)\vec{AB}+\frac{9}{4}k\vec{AC}$$
これで基本のベクトルで表すことができました。
あとは見比べれば終わりです。
$$1-k=\frac{2}{5}t$$
$$\frac{9}{4}k=\frac{3}{5}t$$
というわけで答えは
$$k=\frac{2}{5}\ ,\ t=\frac{3}{2}$$
となります。これでひとまず解答は終了です。お疲れ様でした。
いったん広告の時間です。
まとめ
今回もベクトルの問題を解く上でとても重要な考え方が出てきました。それは
始点を揃える
ということです。とにかく私たちが決めた(問題で決まっている)基本のベクトルの始点に全てにベクトルを揃えることを意識しましょう。必ず私たちが戦える土俵まで問題を変えてください。
問題の続きは次の記事へ。
ではまた
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