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シグマ記号における等比数列

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こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。

 

 

等比数列の和の公式

今回はまず前回とは違った形の和の公式を考えていきます。次の和はどうなるでしょう。
 
$$\sum_{k=1}^n 3\cdot 2^{k-1}$$
 
今まで出てきた和の公式にはない形です。累乗のところに値が変わる\(k\)が入っています。
 
このままだとよくわからないのでとりあえず書き下してみましょう。\(k\)を1から順番に入れて足すと、
 
$$\sum_{k=1}^n 3\cdot 2^{k-1}=3+6+12+24+…$$
 
 
とかけます。なんかこの数列どこかで見たことありますね。そう、これは等比数列です。
 
ですので等比数列の和の公式を使って、初項3、公比2、項数\(n\)より
 
$$\sum_{k=1}^n 3\cdot 2^{k-1}=\frac{3(2^n-1)}{2-1}=3(2^n-1)$$
 
と計算できてしまうわけです。一般的に書くと
 
$$\sum_{k=1}^n a\cdot r^{k-1}=\frac{a(r^n-1)}{r-1}$$
 
です。\(a\)、\(r\)、はそれぞれ初項、公比に当たります。公式は便利ですが、最初のうちはすこし書き出して等比数列の和であることを確認してから計算することをお勧めします。なぜなら暗記をしていた場合、次のような形で出てきた時に困ってしまうと思います。
 
$$\sum_{k=1}^n 2\cdot 5^k$$
 
そのまま公式にそれっぽい数字を当てはめるとおそらく間違えます。
 
これは書き下すと
 
$$\sum_{k=1}^n 2\cdot 5^k=10+50+250+…$$
 
となり初項10、公比5の等比数列であることが一目瞭然です。項数はもちろん\(n\)なので等比数列の和の公式から
 
$$\sum_{k=1}^n 2\cdot 5^k=\frac{10(5^n-1)}{5-1}=\frac{5}{2}(5^n-1)$$
 
と計算できます。いかがでしたか。もちろん慣れてくれば先ほどの式を指数法則を使って
 
$$\sum_{k=1}^n 2\cdot 5^k=\sum_{k=1}^n 10\cdot 5^{k-1}$$
 
とすれば、公式と同じ形になるので初項、公比が正しく読み取れます。
 
新しく出てきたことは実は何もありません。出てきたのは等比数列の和の公式のみ。これで和の記号はバッチリですね。

いったん広告の時間です。

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ちょっと例題

等比数列の和に関して問題をやってみましょう。例えば次の問題はどう計算できるでしょうか。
 
$$\sum_{k=1}^n 2\cdot 3^{k+2}$$
 
これは
 
$$\sum_{k=1}^n 2\cdot 3^{k+2}=\sum_{k=1}^n 2\cdot 27 \cdot 3^{k-1}=\sum_{k=1}^n 54\cdot 3^{k-1}$$
 
のように変形することによって、
 
$$\sum_{k=1}^n 54\cdot 3^{k-1}=\frac{54(3^n-1)}{3-1}=27(3^n-1)$$
 
と計算できます。
 
わからない場合は書き下します。書き下すと
 
$$\sum_{k=1}^n 2\cdot 3^{k+2}=54+162+486+…$$
 
となっており、やはり初項54、公比3の等比数列になっていることが確認できます
 

終わりに

ここでは和の記号における等比数列を考えました。実際にやっていることはまったくもって新しくなく、今までの復習であります。記号が出てきて数学らしさが出てきていますが、恐れることはありません。その意味をしっかり理解して、そのあとに機械的に計算ができればいいのですね。ゆっくりと進みましょう。

ではまた。

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