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無理関数とは 定義域とグラフ

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無理関数とは?

無理数というものを覚えていますでしょうか。有理数ではない数字のことですが、例えば

 

\( \pi, \sqrt{2}, \log_{2}{3}\cdot\)

 

などなどがありましたね。今回はその中でもルートの中に文字が入った形、つまり

 

\(\displaystyle y=\sqrt{x}\)

 

の形の関数について考えていきます。これを私たちはこれから

 

無理関数

 

と呼ぶことにしましょう。高校数学では基本的に2乗根だけを扱いますが、もちろん3乗根以上の関数を考えることも可能です。

では早速、分数関数と同じようにグラフ書いてみましょう。

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グラフの概形と定義域

無理関数には次に2つのパターンが考えられます。

 

\(\displaystyle y=\sqrt{x}\)

\(\displaystyle y=-\sqrt{x}\)

 

ここで重要なのは、根号の中にある数字はマイナスにはなれないので、変数である \(x\) は必ずプラスです。

ですから書くべきグラフの範囲は \(\displaystyle x \geqq 0\) になります。つまり

 

定義域は \(x \geqq 0\)

 

ということですね。よく間違えるところなのでしっかりと覚えておいてください。

ですので例えば \(\displaystyle y=\sqrt{x}\) を書くと

 

 

このようになります。定義域に注意です。

もちろん \(\displaystyle y=-\sqrt{x}\) は上のグラフの符号が逆になっているだけなので

 

 

このようになります。大丈夫ですね。

特徴的なのは、どんどん値が大きくなる関数ではあるのですが、大きくなり方がとても緩やかであることです。

さて、これで終わりかと思いきやもちろんこんなグラフを考えることもできます。

 

\(\displaystyle y=\sqrt{-x}\)

 

え?ルートの中身はプラスなんじゃないの?と思った方は注意です。もちろんそうなのですが、ルートの中身がプラスであればいいので、このグラフの定義域は

 

\(-x \geqq 0\) より \(x \leqq 0\)

 

となり、グラフはもちろん

 

 

こうなります。ですのでこちらは \(x\) が増えるとだんだん減少していく関数になります。

もちろん

 

\(\displaystyle y=-\sqrt{-x}\)

 

という関数も考えることができて、グラフは

 

 

となることはわかるでしょう。つまり、

 

 

 

\(x\) の符号はグラフの左右

\(y\) の符号(つまりルートの前の符号)は上下

 

 

を決めている、ということです。ですので私たちがまず基本の関数として覚えておかなければならない関数は以下の4つになります。

 

 

まずは関数の形とグラフを対応させましょう。

 

また、重要なこととして、\(x\) の前の数字はグラフの形を決めます。こんな風に

 

 

かける値が大きいほどグラフは上に上がっていきます。まあ、かける数字が大きいということは増え方が大きくなると考えられるので直感的ですね。

マイナスもご想像の通り

 

 

ですね。アーティスティックな絵になりますが、これでイメージがつくでしょう。

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平行移動をしてもっと無理関数を理解する

さて、これで終わりではありません。無理関数はこんな単純な形だけではないのはもうおわかりでしょう。

例えばこんな関数も私たちは「書く」ことができます。

 

\(\displaystyle y=\sqrt{x-1}\)

 

分数関数を既に学習した人はもうお分かりでしょう。これは実は

\(\displaystyle y=\sqrt{x}\) のグラフを \(x\) 軸方向に \(1\) だけ平行移動した関数である

と考えることができるわけです。つまり

 

 

こうなります。大丈夫ですね。つまり私たちはルートの中身がなんであっても必ず基本の形 \(y=sqrt{ax}\) (aは定数、先ほどの「形を決める定数」です)を平行移動した形として考えられるわけです。

ですから例えば

 

\(\displaystyle y=-\sqrt{2x-4}\)

 

なんていう関数は

 

\(\displaystyle y=-\sqrt{2x-4}=-\sqrt{2(x-2)}\)

 

と変形できますから、これは

 

\(\displaystyle y=-\sqrt{2x}\) のグラフを \(x) 軸方向に \(2\) だけ平行移動したグラフ

 

と考えられますね。二次関数の平方完成より簡単ですよね。

というわけでグラフを書くと

 

 

となります。一応元になる関数 \(\displaystyle y=-\sqrt{2x}\) のグラフも載せておきました。

もちろんこのグラフを見てわかる通り、このグラフの「定義域」

 

\(x \geqq 2\)

 

です。これはルートの中身がプラスであるということから

 

\(x \geqq 2x-4\) より \(x \geqq 2\)

 

と考えることもできます。定義域だけを答えるならこの計算の方が簡単で楽ですね。

無理関数はこれだけです。とにかく無理関数を与えられた時にグラフをイメージできるようにしておくことが重要です。

まとめ

無理関数についてグラフとその特徴をまとめてみました。結局のところ基本の形を平行移動したものが私たちが考える「一般」の形なので、平行移動にどんどん慣れていきましょう。このあたりの話は「微分」や「積分」で威力を発揮しますのでお座なりにしないように!

ではまた。

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