指数とは
指数とは同じ数字をかけた時に右上に数字を書いて表されたものですね。例えば
$$2^7$$
は2が7回かけられていることを表しています。ここで \(2\) に当たるものを底、右上の数字をしばしば肩といいます。この指数には次のような法則がありました。
$$2^3\times 2^4=2^{3+4}=2^7$$
同じ数字がかけられているのですから3乗と4乗の指数をかけたらそれは7乗と同じですものね。
もちろんこんな法則も成り立ちます。
$$(2^2)^3=2^2\times 2^2\times 2^2=2^{2+2+2}=2^{2\times 3}=2^6$$
2乗を3乗するということは2乗を3回かけるのと同じことです。ですから上の法則が使えて結局6乗になります。これは右上の数字の掛け算になっていますね。
このような法則を指数法則と言います。当たり前のことをかっこよく言いたがるのが数学です。
さて、高校数学では今まで指数で考えなくてもいいような数字を指数で考えることをします。
なぜそんなことをするのかって?やはり便利だからです。とにかく数学は一緒にできるものは一緒の法則で考えたい科目なので指数で考えても大丈夫な数字たちをとにかく指数で書いちゃうわけです。
まあ確かにそれを受け入れれば計算方法を覚えるだけで機械的に計算できますからね。
ではその数字たちを紹介しましょう。まずは平方根で代表されるルートのついた数字たちです。
実はルートを指数で表すと
$$\sqrt{2}=2^{\frac{1}{2}}$$
とできます。こんなことしていいのかと思いますが、先程私たちが考えた指数法則をしっかりと満たしてくれます。
例えば \(\sqrt{5}\) を2乗したら \(5\) ですが、指数法則から考えても
$$(\sqrt{5})^2=(5^{\frac{1}{2}})^2=5^{\frac{1}{2}\times 2}=5^1=5$$
となって確かに大丈夫そうです。また以前学んだ累乗根ですが、これも指数で表せます。二乗根が1/2だったことを考えると3乗根は
$$\sqrt[3]{5}=5^{\frac{1}{3}}$$
となりますし5乗根も
$$\sqrt[5]{5}=5^{\frac{1}{5}}$$
と表せそうですね。
この累乗根を指数で表すことを知れば、指数法則だけで計算がどんどん進みます。例えば
$$\sqrt[3]{5}\times 25\times \sqrt[3]{25}$$
はそれぞれの数字を指数で表すと
$$5^{\frac{1}{3}}\times 5^2\times 5^{\frac{2}{3}}$$
でしたが、指数法則を使えば肩だけで計算ができて
$$5^{\frac{1}{3}}\times 5^2\times 5^{\frac{2}{3}}=5^{\frac{1}{3}+2+\frac{2}{3}}=5^3=125$$
となります。掛け算は肩の足し算でしたね。
確かに普通に計算しても
$$\sqrt[3]{5}\times 25\times \sqrt[3]{25}=25\times \sqrt[3]{125}=25\times 5=125$$
となりますから間違っていません。これでルートなんていう記号を使わなくても計算が指数だけで収まってしまうのです。
また分数の指数で表せます。例えば
$$\frac{1}{2}=2^{-1}$$
です。そうなんです。肩がマイナスになるのです。同じように確認してみましょう。例えば普通に
$$\frac{1}{2}\times \frac{1}{8}=\frac{1}{16}$$
は計算できますが、指数で考えても
$$\frac{1}{2}\times \frac{1}{8}=2^{-1}\times 2^{-3}=2^{-4}=\frac{1}{16}$$
となり確かに同じです。これでルートと分数は指数だけで表せてしまうことがわかりました。凄いことです。
計算練習は後でやることにしてここで学んだことをまとめておきます。
指数法則
指数の掛け算は肩の足し算
$$2^{a} \times 2^{b}=2^{a+b} $$
指数の累乗は肩の掛け算
$$(2^{a})^{b}=2^{ab}$$
ルートと分数
ルートは肩を分数に
$$\sqrt[n]{2}=2^{\frac{1}{n}}$$
分数は肩を引き算に
$$\frac{1}{a}=a^{-1}$$
たくさん覚えることがあって大変ですが最小は何事もそうです。計算練習を通して少しずつ慣れていきましょう。
最後に一つ注意を。上の指数法則はあくまでも底が等しいときに成り立つものです。もちろん
$$2^3\times 3^2$$
は法則で簡単にできませんので頭に入れておいてください。
いったん広告の時間です。
まとめ
指数は新しい概念ではありませんが、新しく指数で考えるものが出てきて少し厄介です。時間をかけて指数自体に慣れていけばその先は明るいです。
ではまた。
コメント