指数の方程式をどう解くか
指数の計算ができるようになったら次は方程式と不等式を解けるようになることが大事です。指数計算を練習してきた意味はここにあります。
まずは指数方程式の考え方から学んでいきましょう。
例えば次のような方程式があったとします。
$$2^x=8$$
このxに当てはまる数字はなんですかと言われたらすぐに答えられますね。
そうです。\(3\) です。方程式ですから左辺と右辺が等しくなるような \(x\) を探すのが私たちの仕事でした。
ではこんなのはどうでしょう。
$$2^{x+2}=32$$
ちょっと難しくなったでしょうか。ですが答えられますね。
答えは \(3\) です。\(x\) に入る数字を考えて計算結果が右辺と合っていればいいのですね。
さて、指数方程式を解くときはもちろん、\(x\) になにが入るかを考えるのですが、指数の特徴として次のことを押さえておくとさらに見通しが良くなります。
例えば先ほどの問題もそのまま考えてもいいのですが
$$2^x=2^3$$
$$2^{x+2}=2^5$$
とすると一目瞭然ではありませんか?そうです。指数方程式は
底がそろっていれば、肩を見れば良い
のです。ということはとにかく指数方程式では
指数 \(=\) 指数
の形にすることを最優先にすればいいのです。そしてどんな指数方程式も目指すべき形は上の形ですね。
もちろんそうでない問題もこれから出てきますが基本は
指数 \(=\) 指数
です。大丈夫ですね。少し問題をやってみましょう。
いったん広告の時間です。
例題
まず最初はこれ。
$$2^{2x+3}=64$$
まずはとにかく指数にすることからです。方針は底を揃えるです。
左辺はどうしようもないので右辺を変えます。
$$64=2^6$$
ですから
$$2^{2x+3}=2^6$$
です。大丈夫ですね。あとは底が揃ったので肩を見れば
$$2x+3=6$$
より
$$x=\frac{3}{2}$$
です。簡単ですね?
ではお次。
$$\left(\frac{1}{3}\right)^{x-4}=9$$
さて、これはどうしましょう。もちろん底を揃えるのですが、左辺に合わせたいので \(9\) を変形したいですね。
これは
$$9=3^2$$
ですが、
$$3=\left(\frac{1}{3}\right)^{-1}$$
と無理やり書くことができます。ですので
$$9=\left(\frac{1}{3}\right)^{-2}$$
とかけるのです。このテクニックは覚えておくととても役に立ちますよ。
というわけで
$$\left(\frac{1}{3}\right)^{x-4}=\left(\frac{1}{3}\right)^{-2}$$
より
$$x-4=-2$$
なので
$$x=2$$
です。少し難しくなってきましたか。
では最後です。累乗をなんとかしてみましょう。
$$\left(\frac{1}{7}\right)^{3x-4}=\sqrt[3]{49}$$
もちろん変形するのは右辺です。累乗根を指数にできますか?
$$\sqrt[3]{49}=49^{\frac{1}{3}}=7^{\frac{2}{3}}$$
できましたか?累乗根は分数でしたね。次は先ほど行ないましたが、無理やり底を揃えます。
$$7^{\frac{2}{3}}=\left(\left(\frac{1}{7}\right)^{-1}\right)^{\frac{2}{3}}=\left(\frac{1}{7}\right)^{-\frac{2}{3}}$$
できましたか?7を変形して指数法則を使いました。これで大丈夫。式は
$$\left(\frac{1}{7}\right)^{3x-4}=\left(\frac{1}{7}\right)^{-\frac{2}{3}}$$
より
$$3x-4=-\frac{2}{3}$$
なので
$$x=\frac{10}{9}$$
です。できましたか?
まとめ
指数方程式のコツはとにかく底が揃った指数に直すことただそれだけです。ですから指数計算の練習はとても大事です。少しサボり気味な人はこの際に少し戻って指数計算をマスターしてみてください。指数方程式がとても簡単に思えてくるはずです。
ではまた
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