ここでは等比数列について学習します。等差数列と同じようなことを考えますよ。
まず等比数列とは何かというと
隣り合う項の比が等しい数列
です。比と言われると拒絶反応が出る人もいると思うのでもう少し言うと
前の項に数字をかけたらその項になるような数列
です。具体的にいうと
2 6 18 54 162 …
みたいなものです。等比と言ってるぐらいですから「かける」数字は一定です。上の例でいうと、その「かける」数字は3です。この一定のかける数字を公比と呼びます。数列の最初の数字は等差数列と同じく初項と言います。
ここまでは大丈夫ですね?次は等比数列の一般項について考えてみます。
いったん広告の時間です。
等比数列の一般項
先ほどの話を思い出すと、等比数列は前の項に公比をかければその項になるのでした。では等差数列と同じように初項から考えると任意の項はどう表せるでしょう?
先ほどの例だと3項目は18です。初項と公比を考えると18は初項である2に3を2回かけたものになっています。要するに
$$a_{3}=2\times 3\times 3=2\cdot 3^{2}=18$$
です。
では任意の第 \(n\) 項目はどうでしょう。\(n\) 項目には公比を \(n-1\) 回かけることになるので
$$a_{n}=2\cdot 3^{n-1}$$
となりますね。等差数列の作り方がイメージできていれば等比数列も難しくないはずです。
例えば初項5、公比2の等比数列の一般項は
$$a_{n}=5\cdot 2^{n-1}$$
とすぐに書けてしまいます。
まとめると、
初項 \(a\) 、公比 \(r\) の等比数列の一般項は
$$a_{n}=a\cdot r^{n-1}$$
であると言えます。
いったん広告の時間です。
等比数列の性質
等比数列の一般項がわかったところで、等比数列のよく使う性質を紹介しておきます。それは簡単に書くと次のようになります。
等比数列の連続する3つの数\(a\)、\(b\)、\(c\) がこの順で並んでいるとき、これらには次の関係がある。
$$a\times c=b^2$$
例えば先ほど考えていた2 6 18 54 … という数列の場合連続する3つの数字を適当に選ぶと6 18 54 と選べますが、たしかに
$$6\times 54=6^2$$
になっています。実はこれは当たり前です。簡単に証明しておきます。
今、任意の数列のある項を \(a_{k}\) と書きます。これは等比数列の一般項によると
$$a_{k}=a\cdot r^{k-1}$$
と書けます。この項の次の項である \(a_{k+1}\) は \(a_{k}\) に公比 \(r\) をかけたものなので
$$a_{k+1}=a\cdot r^{k}$$
です。同様にその次の項は
$$a_{k+2}=a\cdot r^{k+1}$$
ですね。ということは \(a_{k}\) と \(a_{k+2}\) の積は
$$a_{k}\times a_{k+2}=a\cdot r^{k-1}\times a\cdot r^{k+1}=a^2\cdot r^2k$$
であり、真ん中の数字である \(a_{k+1}\) の2乗は
$$(a_{k+1})^2=(a\cdot r^{k})^2=a^2\cdot r^2k$$
となります。よって
$$a_{k}\times a_{k+2}=(a_{k+1})^2$$
となり証明されました。
使い時はなかなか難しいですが、初項や公比がわかってないけれども一般項を求めたい時などに重宝します。覚えておくと便利です!
終わりに
ここまで等比数列について考えてきましたが、とても重要な数列のパターンの一つですのでしっかりと理解しておきましょう。まずは数列になれること、これが一番です。
ではまた。
コメント