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正弦定理の概要と適用方法

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こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。

 

 

正弦定理を覚える

三角比を覚えた一つ目の恩恵はこの「正弦定理を扱える」ことです。

正弦定理はその名の通り正弦=\(\sin\)が出てくる公式です。それに加えて外接円の半径との関連も非常に重要です。

まずは公式を確認します。次のような一般的な三角形に対して以下の式が成り立ちます。

$$\frac{c}{A}=\frac{b}{B}=\frac{a}{C}=2R$$

わざと記号を少しごちゃまぜにしました。少しわかりづらい人は教科書等をみてください。これには訳があります。

また\(R\)は外接円の半径です。これは後々また話すことにします。今回はいったん置いておきましょう。

さて、わき道にそれて記号をすこしごちゃまぜにした理由を話しましょう。それは

記号に左右されてほしくない

からです。これは正弦定理に限らずですが、公式は別に教科書通りに覚える必要はありません。その意味は「記号で覚える必要はない」ということです。

例えば前回出てきた三平方の定理はどう覚えてますでしょうか。おそらく多くの人は

$$a^2+b^2=c^2$$

と頭の中に入っているのではないでしょうか。教科書がこう書いているのは別にこれで覚えろと言っているのではありません。あくまで

斜辺の2乗はほかの辺の2乗の和と等しくなる

ことを言いたくて図と一緒にこの式を載せているのです。もちろん公式を表すために\(a,b,c\)という記号がでていますが、これは別に\(a,b,c\)である必要なんてないのです。

私が強調したいことは

公式は形と一緒にその意味もおさえる

ことです。公式のある部分が何を表しているのかを意識してみてください。そうするだけで応用の範囲がものすごく広がりますし、自分で問題を解く際のヒントにもなります。

では正弦定理に戻ります。この式が意味するのは

三角形のある角度の\(\sin\)とその対辺の比は三角形のどこでやっても等しい

ということです。例えば角\(A\)に注目した場合その対辺は\(c\)です。その比、すなわち分数の形にすると、ほかの角度(\(B,C\))で同じことをやっても値は同じになるのです。

記号は関係ありません。あくまである角度に注目し、その対辺を意識してください。大丈夫ですね。

いったん広告の時間です。

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正弦定理の有用性

正弦定理の有用性はこう考えることができます。

正弦定理を使うには2つの角度の\(\sin\)とその対辺が必要=そのうち3つわかっていればもう1つは求めることができる

言葉では難しいので実際にやってみます。

例えば上の図のように角度が二つわかっていて一つの辺もわかっているときに、\(AC\)の長さを求めることを考えてみます。この時考えるのは向かい合った角度と辺があることです。ここで初めて正弦定理が使えそうだとわかるわけです。実際に正弦定理の式に当てはめると、角と対辺の組み合わせを考えて、

$$\frac{\sqrt{3}}{\sin 45^\circ}=\frac{AC}{\sin 60^\circ}$$

という式が作れるわけですね。これが正弦定理の威力です。内角が知っている三角比の角度ならどんどん計算できて、

$$\frac{\sqrt{3}}{\frac{1}{\sqrt{2}}}=\frac{AC}{\frac{\sqrt{3}}{2}}$$

となるので\(AC\)を求めると

$$AC=\sqrt{3}\times \sqrt{2}\times\frac{\sqrt{3}}{2}=\frac{3\sqrt{2}}{2}$$

と計算できます。今までは求められなかった辺もできるようになりますね。

終わりに

今回はここまでとします。正弦定理の練習は次回たくさんやりますのでご安心を。大事なことはまず、公式のイメージをつかむこと。どことどこで式を作るのかを図を見たときに頭に描いてください。それができればあとは当てはめて計算するだけです。そのイメージを使うのは次回以降。頑張りましょう!

ではまた。

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